テフロンコーティングなどのフッ素樹脂加工されたフライパンは手入れが簡単で便利だけど、健康被害のリスクがあります。
うちは「脱テフロン」で「鉄製」に変えました!
もくじ
フッ素樹脂加工(テフロンコーティング)のフライパンが危険な理由
フッ素樹脂でコーティングされたフライパン。
テフロン加工、ダイヤモンド加工、なんちゃらストーン加工…など
メーカーごとの呼び名は様々ですが、これらはすべてフッ素樹脂で加工されたフライパンです。
ツルッとしてこびりつきづらい、洗いやすく手入れがしやすい反面、2つの大きな危険性があります。
テフロン製フライパンの危険性
- 空焚きによる有毒ガスの発生
- 傷から溶け出し摂取による健康被害
空焚きによる有毒ガスの発生
フッ素樹脂の成分であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、260℃以上に加熱すると劣化が始まり、350℃まで加熱すると有毒ガスを発生します。
この有毒ガスを吸い込むと、インフルエンザによく似た非常に高熱を伴う症状を患います。
フッ素加工のフライパンは、強火加熱してからわずか1〜2分ほどで、有毒ガス発生温度である350℃を超えてきます。
「私はうっかり空焚きなんてしない!」という方もご注意。
例えば少量のウインナーを炒める場合、ウインナーが接していないスペースは「空焚き」されているのと同じ状態になります。
強火で2分炒めれば、すでに有毒ガスが発生し始めています。
ですので、フッ素樹脂加工のフライパンを使用する際は、換気が必須になります。閉じられた空間で使用すると、有毒ガスの吸い込みの危険性が生じます。
傷からの溶け出し摂取による健康被害
フッ素樹脂加工のフライパンにはもう一つ、PFOA(パーフルオロオクタン酸)をいう物質が使われています。
PFOAは人工的に作られた成分で、自然界にはまったく存在しません。
ですので、廃棄しても自然界では分解されませんし、人体からも排出されにくく残存し続けます。身体に蓄積したPFOAが排出されるには、実に10年以上かかるとも言われています。
欧米ではこうした環境汚染、人体蓄積が問題視され、訴訟に発展しています。
工場から排出されたPFOAと精巣ガンの関連性が認められ、デュポン社に対して損害賠償が認められた事例もあります。
毎日、フライパン返しなどでガシガシこするのを繰り返していくうちに、テフロンコーティングの表面が剥がれ、加熱とともに成分が溶けだします。そして口の中へと入ります。
もっとも、微量の摂取では人体に影響がない、という説もありますが、フライパンの傷から溶け出した成分が人体に蓄積し続けるのは事実です。
海外ではこうした危険素材を使わないフライパンのコーナーも設置され人気を呼んでいます。
最近は日本でも「PTFEフリー」をうたったフライパンを時々見かけるようになりました。
フライパンの素材を選ぶポイント
我が家はこうした危険性を考慮し、「脱テフロン」として代わりになる素材を調べ、試してきました。
選ぶポイントは、やはり何より「健康」です。
毎日使うものでから、知らず知らずのうちに有害な成分を取り込まないようすること。これが何より大事です。
健康を損ねては何の意味もありません。
価格が安くても、数年後に身体の具合が悪くなってしまえば、医療費が余分にかかります。
フライパンの材質を選ぶ際は、何よりも健康にとって安全かどうかが重要です。
フライパンの材質比較|メリットとデメリット
フッ素樹脂加工(テフロンコーティング等)のフライパン
メリット
- こびりつきにくく手入れがしやすい。
- 価格が安いものが多い。
デメリット
- 空焚きによる有毒ガス発生
- 傷からの溶け出し摂取による健康リスク
- 比較的短期間で表面が剥がれることで、頻繁な買い替えが必要
アルミニウムのフライパン
メリット
- 熱の伝導が良く、弱い火力でも調理できる
- 軽くて扱いやすい
デメリット
- こびりつきやすく、卵などのタンパク質は凝固して剥がれにくい
- 認知症患者の多くに脳内のアルミニウム蓄積が認められた事例がある
銅のフライパン
メリット
- 熱伝導が非常に良く、弱い火力でも短い時間で調理できる
- 軽くて扱いやすい
デメリット
- 酸性に弱い。ソース、ケチャップ、マヨネース、酢などの酸性の調味料と反応し、急性銅中毒を引き起こす可能性がある。(過去に日本では、ソース焼きそばによる銅中毒や、銅製である水筒にスポーツドリンクを入れ銅中毒になった事例がある。)
ホーロー(琺瑯)のフライパン
メリット
- ガラスが主成分のためツルッとして手入れがしやすい
- 過去には、表面加工成分の溶け出しによるイタイイタイ病などの健康被害があったが、近年は基準が厳しくなり溶け出ししづらいものが多いと言われている
デメリット
- 重量がある
セラミック、ガラスのフライパン
メリット
- 成分溶け出しの心配が少ない
デメリット
- 価格が高いものが多い
- こびりつきやすい
鉄のフライパン
メリット
- 人体に悪影響が無い
- 鉄分を栄養として摂取できる
- 熱の伝導が良く、少ない火力でも手早く調理できる
- 「育てる」素材であり、長く使うことができ買い替えコストが減らせる
デメリット
- 油で表面を慣らしてあげる必要があり手間がかかる
- 比較的こびりつきやすいが、油で慣らすことで防げる
- 重量があるので大きなサイズのものは扱いづらい
比較結果をまとめると…
フライパンの材質 | メリット | デメリット | 評価 |
フッ素樹脂加工(テフロン等) |
手入れ容易、安価 |
空焚きで有毒ガス、傷から成分溶け出し、頻繁な買い替え必要 |
△ |
アルミニウム |
熱伝導が良い、軽量で扱いやすい |
こびりつきやすい、認知症の原因の疑い? |
△ |
銅 | 熱伝導が良い、軽量で扱いやすい | 酸性食品に弱い | △ |
ホーロー |
手入れが容易 |
重い | △ |
セラミック、ガラス |
成分溶け出しの心配が少ない |
高価、こびりつきやすい | △ |
鉄 |
人体に悪影響がない、熱の伝導が良い、末永く使える、買い替えコスト低減 |
手入れに手間がかかる、重い |
○ |
鉄のフライパンはどれがいいのか
リバーライトと迷ってビタクラフトを購入
鉄製のフライパンのなかで品質が良く、評価が高いのが
- ビタクラフト
- リバーライト
の2大メーカーです。
ビタクラフトは見た目もシャレていて料理が楽しくなります。
一方、リバーライトは持ち手が木材で、熱くなりにくく非常に扱いやすいです。
迷ったあげく、「毎日使うものだから良いものを」と思い、ビタクラフトを購入。
サイズは3人家族には大きすぎず小さすぎずでちょうどよい26cmにしました。
持ちやすくてかっこいい!
ビタクラフトの鉄フライパン|使いごこち
まずは「油ならし」と言って、購入後の最初の使用前に油を引いて熱します。
これをやることで、鉄の表面に油膜が張られ、油が馴染みその後の調理でこびりつきがなくなります。
油慣らし後の鉄フライパンは照りツヤがキレイ。
使い込んでいくうちに、どんどんいい味わいを醸し出していきます。
鉄フライパンは育てるもの。
きちんと手入れすれば100年だって使えると言われています。
お肉をよく焼きますが、鉄の遠赤外線で「外はカリッと、中はジューシーに」焼き上がり、子どもは「お店の味だ」と言ってくれます。
ビタクラフトの鉄フライパン|手入れ
「油慣らし」でせっかくつくった油膜が落ちないように、洗剤は使いません。
使用後に亀の子たわしでザーッと洗うと、驚くほどきれいになります。
油膜のお陰でくっつきまっせん。
使用直後なら水をかけるだけで、フライパンの熱でジュワーッと湯気が登って、ふやけたところをタワシでこすります。
万が一焦げ付いたときは、説明書のとおりに、空焚きで焦げを焼き切ります。
五分ほど空焚きして、焼き切った焦げを金属タワシかヘラでそげ落とします。
クレンザーを使って落とした場合は、再び油慣らしをして剥がれた油膜を補います。
蒸し焼き用便利なガラス蓋
蒸し焼きに便利だったので、その後フタも購入。
同じくビタクラフトなのでぴったりフィット。
ガラス製で中の焼き具合が一目瞭然!
油の飛び散りも防げて重宝します。
リバーライトの卵焼き器も買ってしまった
その後、鉄のフライパンを育てるのにハマってしまい、リバーライトの方も使ってみたくなりました。
フライパンはもうあるので、お手頃な卵焼き用のフライパン(もちろん鉄)を買ってみました。
日本製を全面に押しています。
底がやや浅めで幅広。
使ってみるとこの形状がとても卵焼きを焼きやすいことを実感しました。
リバーライトの特徴であるウッドの持ちても、手にしっかり馴染んで素晴らしく扱いやすいです。
持っているだけで卵焼きが上手になりそうな気にさせてくれます。
長い付き合いになりそうです。
(底面/12.7x16.5cmの「小」サイズが扱いやすいと思います。)
まとめ
フライパンはいろいろな材質がありますが、我が家は「脱テフロン」で鉄のフライパンを使っています。
良いものを長く使い育てること、買い替えから自由になったことがとても良かったです。
鉄板焼きのように美味しく焼きあがりますし、料理が楽しくなります。
フライパンの材質 | メリット | デメリット | 評価 |
フッ素樹脂加工(テフロン等) |
手入れ容易、安価 |
空焚きで有毒ガス、傷から成分溶け出し、頻繁な買い替え必要 |
△ |
アルミニウム |
熱伝導が良い、軽量で扱いやすい |
こびりつきやすい、認知症の原因の疑い? |
△ |
銅 | 熱伝導が良い、軽量で扱いやすい | 酸性食品に弱い | △ |
ホーロー |
手入れが容易 |
重い | △ |
セラミック、ガラス |
成分溶け出しの心配が少ない |
高価、こびりつきやすい | △ |
鉄 |
人体に悪影響がない、熱の伝導が良い、末永く使える、買い替えコスト低減 |
手入れに手間がかかる、重い |
○ |
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追記:使ってみて1年以上経過しました(感想)
鉄の料理器具にハマり、フライパンと卵焼き器をそれぞれ使い込んで1年以上が経ちました。
現在の様子と感想です。
【鉄のフライパン】使用後1年の感想
ご覧のとおり、自分で言うのもなんですが、とてもキレイな状態です。
お手入れ方法はいたってシンプル。
「たわしでこする」
以上です。
肉を焼いたあと、水道のお湯ですすぎながら、たわしで1分ほどこする。
そんだけです。
この製品だからなのかわかりませんが、焦げ付き、こびりつきはほとんど発生しません。
たまに発生してもやっぱりたわしで念入りにこするだけ。
当初のイメージよりもお手入れは楽なもんでした。
使い込むほどに油が浸透し、使えば使うほど、手入れが楽になりました。
まさに「育てる調理器具」、鉄。
そして、何より味です。
熱せられた鉄による遠赤外線効果なのか、お肉など非常に美味しく焼き上がります。
鉄のフライパンを買ってから、肉は外食で食べるより、家で焼いたほうが美味しい、というのが我が家の定説になりました。
【鉄の卵焼き器」使用後1年の感
ご覧のとおり、自分で言うのもアレですが、とてもキレイな状態です。
こちらもメンテナンスはたわしオンリー。
ほぼ毎朝、お弁当の卵焼きで使うので、油がしっかり浸透しています。
ゆえに、卵の焦げ付きはありません。
たまに焦げ付いても、たわし強めで落ちます。
わりと浅めの卵焼き器ですが、朝のお弁当を作るときは、卵焼きを焼く前に、お湯を張って、野菜を茹でたり、豚肉を茹でたりしています。
朝のお弁当作りはこれ一本で済んじゃいます。
このやり方はこの本で知りました。
卵焼き器一本でつくるお弁当のレシピが豊富で最高です。
「育てる調理器具」、鉄。
これからも長く使って、できれば子供に引き継がせたいな。
ささやかな遺産として…。
次点:有害成分の溶け出しが無いセラミックのフライパン
鉄のフライパンに次ぐ選択肢としては、有害成分の溶け出しの無い「セラミック製」が挙げられます。
やや値が張ることがネックではありますが、毎日使うものなので、長期的に見れば悪い買い物ではないと思います。
↓こちらは、古くから食の安全意識が高いベルギーのブランドで、製造工程においてPFASやPFOAをまったく使用していません。比較的、こびりつきもなく手入れもしやすいタイプのものです。