「ファットアダプト」という食事法をご存知だろうか?
サッカー日本代表の長友佑都選手が実践している食事法だ。
食事法に関心のある私は、長友選手の著書『長友佑都のファットアダプト食事法 カラダを劇的に変える、28日間プログラム』を、発売後すぐに購入した。
もくじ
ファットアダプトとは
本書は、長年にわたりパフォーマンスを上げる食事法を独自研究し追求してきた長友選手が、医師監修のもと書き上げたもの。
アスリートだけではなく、高齢者にも健康維持のために知ってほしい、という想いが伝わる本でした。
以下、本書に基づきファットアダプトについてまとめます。
一般的にアスリートは加齢とともにパフォーマンスが落ちるとされている。それなのに、32歳の年で迎えたロシア大会で僕が絶好調だったのはなぜか。
その秘密は食事にある。食生活を変えてから僕はフィジカル的にも、メンタル的にも、自分史上最高に仕上がっている。現在プレーしているトルコ・スュペル・リグのガラタサライSKでも、満足できるパフォーマンスができている。
その食事こそ、本書のテーマである「ファットアダプト食事法」だ。
では、ファットアダプト食事法とは何か?
エネルギー源として脂質(ファット)を上手に使えるファット・アダプテーション(脂質適応状態)になるための食事法。
糖質の摂取をコントロールして血糖値の乱高下を抑えて、良質のたんぱく質と脂質を積極的に摂るのだ。
つまりファットアダプトとは、
- 糖質の摂取をほどほどに抑える
- 良質の脂質をたくさん摂る
- 良質のタンパク質をたくさん摂る
というものです。
脂質(アブラ)をたくさん取ったら太っちゃう!
と思うかもしれません。
しかし、お腹にプヨンとつくあの「浮き輪」は、脂質が「過剰な糖質」と結びついてできるものなのです。
脂質だけでは直接太りません。糖質をほどほどにしておけば、中性脂肪ができるのを抑えられます。
糖質はほどほどに
ほどほどにすべき「糖質」とは、ごはん、パン、パスタなどの穀物、炭水化物です。
糖質は三大栄養素のひとつですが、食べ過ぎて余った糖質は、脂質と結びついて中性脂肪として体に蓄積されます(肥えます)。
ただし、全く糖質を取らない「糖質カット」はおすすめできません。
脳にエネルギーが届かず、終日ぼーっとしてしまうからです(体験済み)
私も一時期、糖質カットを実践してみましたが、フラフラしてくるのでやめました。
以来、糖質はほどほどに摂るようにしています。
なお、「ほどほど」には個人差があるようで、厳密には「CGM(持続ブドウ糖測定」という検査を受けると、一食あたりの糖質許容量がわかるそうです。
ファットアダプトとほぼ同義である「ロカボ」(ロー・カーボ=糖質少なめ)食事法によると、糖質を1食20〜40gにすることが推奨されています。(ごはんならお茶碗軽めの一杯ぐらいまで)
糖質の摂り過ぎは、血糖値の乱高下をもたらしキケン!
糖質を摂りすぎると、血糖値が急上昇し、それを抑えるためにインスリンが出て、今度は血糖値が急降下する。これを「血糖値スパイク」といいます。(血糖値の上昇下降グラフがスパイクのように鋭角になることから)
血糖値が乱高下すると、血管にダメージが加わり、精神的にも不安定になりやすくなります。
糖質のとりすぎは心身ともにいいことはなさそうです。
これを避けるには、食べる順番を工夫することも有効です。炭水化物を最後に食べるのです。先に野菜や肉を食べ、血糖値の上昇を緩やかにすることです。
良質の脂質をたっぷり摂る
糖質に代わるエネルギー源として、脂質をたくさん摂ることが大事です。
ただし、良質な脂質に限る。
良質な脂質とは、
- オリーブオイル、アボカドなどのオメガ9
- 青魚、亜麻仁油、えごま油などのオメガ6
などです。
ただし、これらは加熱して時間が経つと酸化してしまうため、生で食べるのが基本です。
サラダや納豆、カルパッチョにかけるなど、実践しようと思います。
加熱料理には、ラード、コーン油、紅花油、ごま油を使うのがオススメとのこと。
避けたい脂質
避けるべき脂質は、
- 酸化した油
- 人工的な油
酸化した油とは、揚げて時間がたった油など。
人工的な油の代表はトランス脂肪酸。揚げて時間の経過したポテトフライなどに含まれています。
人工的な油は他に、ショートニング、マーガリンがあります。
ケーキやドーナツに含まれている場合があるので注意。
良質なタンパク質をたくさん取る
タンパク質は、以下のものをまんべんなく摂ることが大事です。
それぞれのタンパク質には、何かしらの「必須アミノ酸」が不足しています。以下をまんべんなく食べて、必須アミノ酸が偏らないようにするためです。
- 肉
- 魚
- 卵
- 乳製品
- 大豆食品
この中で卵はほぼ完全食品です。ビタミンCと食物繊維のすべてが入っていると言われ、まさに命そのものをいただくようなものです。
私も板東英二ばりに、ゆで卵を毎日たくさん食べています。
また、タンパク質の摂取が不十分だと、筋肉量が減り、代謝が減って太ります。
筋肉量の維持には、運動による刺激ももちろん必要です。
筋トレをして、脂たっぷりの肉を喰らう。
そんな元気な高齢者になりたいと常々思っています。
追記:2019年8月23日放送の金スマ(中居正広の金曜日のスマイルたちへ)で長友佑都選手の食事法が特集されていました。
「10歳若返る食事法」と紹介されていましたが、決して大げさではないと思います。
私も実践1か月ほどですが、体が明らかに調子がいいですし、肌の調子も良くなって来ました。